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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《花も刀も(はなもかたなも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 頁
門下では、塚田孔平、稲垣定之助、海保帆平、庄司弁吉、大羽藤蔵、井上八郎などが第一級であった。
周作は自分では道場へおりなかった。
栄次郎や他の上位者に稽古をつけさせ、自分は見ていて注意を与える。ごく稀に道場へおりることがあっても、木剣で型を示すくらいのもので、自分で打ちあうなどという例は殆んどなかった。
だが、深喜には稽古をつけた。
周作は稽古着に胴だけつけ、深喜は面もつけるのであるが、周作のほうから打込むことはない。深喜に打込ませるだけだし、口では何も云わない。
――技を使うな。
というのが鉄則であって、特に深喜の『切尖はずし』『籠手返し』などの技は厳重に禁じられた。
深喜の稽古は懸命だった。
周作に教えられるときは、云うまでもなく、栄次郎や、他の上位者の稽古ぶりを見ると、自分の腕が自分で考えていたほどでないことを痛感した。
これは彼にとって、深い驚きであった。
もちろん腕が段ちがいというのではない、塚田や海保たちとも竹刀を合せてみたが、勝負はたいてい五分と五分であった。ただ、彼は自分がもっと上を使うと信じていたので、無技巧にちかい、かれらの刀法が、無技巧のままに強い点で驚いたのである。