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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(七)平次女難(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 頁
のです。
「命が惜しくて酒を止した人間が、その晩死ぬなんざ、少し皮肉すぎやしませんか、親分」
「届出は頓死だが、――あの辺は石原の利助兄哥の縄張内だ。昼頃変な小僧が手紙を持って来たんだそうで、お品さんが持って来て見せてくれたよ」
「手紙にはどんな事が書いてありました、親分?」
「恐ろしく下手な字で、――瓢々斎が死んだのは、病気や過ちじゃねえ、人に殺されたに違いないから、お上の手で調べてくれ――とこういう文句だ」
「ヘエ」
「一応石原の子分をやることにして、お品さんは帰ったが、――フト思い出したのは、二三日前手前が話していた瓢箪供養のことだ。どうかしたら八五郎のことだから、物好きに行ってみたかも知れないと、手前の来るのを心待ちに待っていたのさ」
「物好きも満更無駄じゃなかったわけで」
「ハッハッ、ハッハッ、その気でせいぜい間抜けなものは見て歩くがいい」
平次はカラカラと笑います。順風耳ガラッ八の、倦むことを知らぬ猟奇癖が、とんだところで、とんだ役に立つことは、ずいぶんこれまでも無い例ではなかったのでした。
「おや? お客様ですよ、親分」
ガラッ八は聴き耳を立てました。