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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(七)平次女難(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 頁
二
百両も持ってるくせに、何だってまた物貰いの真似をしやがるんでしょう、罰の当った野郎じゃありませんか」
「そいつは曰くがありそうだ、もう一度行ってみる気はないか」
「行きますとも、親分と一緒なら」
ガラッ八は飛上がりました。最上等の猟犬のように、鼻さえもヒクヒクさせております。
二
神田から浅草へ、近い道ではありませんが、悠長な時代で、平次が行き着くまで、行倒れの死骸はまだ取捨てる段取りにもならず、町内の番太が、迷惑そうな顔をしながら、寄って来る野次馬を追っ払っておりました。
「これは銭形の親分、――たかが物貰いの行倒れで、御手に掛けるような代物じゃございませんよ」
「どうせそうだろうが、商売冥利にちょいと見て行こう――小判で百両も持っていたっていうじゃないか」
「ヘエ――、大層溜めやがったもので、番太で駄菓子を売るよりは、よっぽど歩がいいと見えますよ、へッへッへッ、――金は町内の旦那方が預かってありますが、なんなら――」
「いやそれには及ばない、小判は物貰いの懐から出ても小判に間違いあるまい」
平次はそう言いながら、往来の人の疎らになったところを狙って、ヒョイと菰を捲り上げました。