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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,130 字 · 288 頁

青空文庫

「掘るんですか」

「ウム、何が出るか解らないが」

八五郎は飛んで行って、二梃の鍬を借りて来ました。幸い板塀があって往来の人に見えませんが、それでも、石を起して穴を掘るのは、あまり楽な仕事ではありません。まず最初に出て来たのは一梃の鍬。それから四半刻(三十分)ばかりの後、

「占めたッ」

八五郎は歓声をあげました。土の間から、着物の一端が現われたのです。間もなく二梃の鍬は、腐爛してしまった男の死骸を一つ掘り出しました。町役人を呼んで、丸屋に使いをやると、お留と要吉が飛んで来ます。一と目、

「あ、旦那だ」

お留は顫え上がりました。

「間違いはないな」

と平次。

「たしかに旦那ですよ」

要吉は言葉を添えます。

死骸を穴から引揚げてみると、後ろから脳天をやられたらしく、髷節のあたりに大きな傷がついているのです。

「自分の持出した鍬で穴を掘って、その鍬で打たれて死んで、その鍬で穴を埋めて、――」

平次は独り言ともなく、そんなことを呟いております。

「変な紙片がありますよ、親分」

ガラッ八は土の中から白いものを抜き出して、指の先で叩きました。

「どれどれ」

手に取って見ると、古い大福帳から引千切った紙片で、