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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,130 字 · 288 頁

青空文庫

二

それから小僧はどうした」

「路地の外でマゴマゴしているのを捕まえて、二つ三つ小突き廻すと、わけもなく白状しましたよ――どこかの知らない小父さんに、四文銭を三枚貰って、銭形の親分のところへ手紙を届けたが、あとは何にも知らねえ、ワ――」

「何んだいそのワ――てえのは?」

「いきなり泣き出した声色で」

「合の手が多すぎるよ。それからどうした」

「手紙を頼んだ野郎の人相身扮を訊いたが、まるっきり見当が付かねえ――年は二十から六十の間、確かに眼が二つあって、口が一つあって、着物を着ていたに違えねえ――というだけの事だ」

「仕様がねえなア、それっきり小僧を逃がしてやったのか」

「大丈夫、その辺に抜け目のある八五郎じゃねえ。ちゃんと糸目をつけて飛ばしてありますよ。小僧は町内の鋳掛屋の倅巳之松、とって十三だが、智恵の方は六つか七つだ」

「そう解ったら、なんだってつれて来なかったんだ」

平次はしかしそれ以上追及する様子もなく、小僧が持って来た手紙にもういちど見入っております。

二

「どんな事が書いてあるんで? 親分」

ガラッ八はうさんな鼻を覗かせました。

「読んでみるがいい」

「四角な字は苦手だ、ちょいと読んでおくんなさい」