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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,130 字 · 288 頁

青空文庫

これを取上げると、後ろから拝み打ちに一撃をくらわせ、声も立てずに穴の底へ崩折れたところを、上から滅茶滅茶に土を崩し込んで、金蔵の死骸ごと穴を埋め、鍬を土の中へ突っ込んだ上、気休めに石などを並べて引きあげたのでした。

「千住の浜夕などに熱くなったのはどういうわけでしょう」

ガラッ八が呑込み兼ねる顔をすると、

「お茂なんかに未練はないというところを見せる心算だったのさ。それが人間の弱いところで、せっせと通っているうちに、ツイ深間になったんだろう」

平次は行届いた説明をしてくれるのです。

「お茂という女は嫌な女ですね」

ガラッ八はあのうれきった年増には胆をつぶしたのでしょう。

「その代りお半はとんだ拾いものさ。あんな良い娘はちょっといないよ、どうだい八」

平次はまたガラッ八をからかい始めたのでした。