輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
要するに、これも、「新・平家」に拠る法縁かと、帰京後、寺の御子息へ、迂著十八巻をお贈りしておいた。
その小田原にての、雑詠二つ。
無縁ぼとけあはれ起すな幾世かも雨露の眠りの安けらしきを
小田原やここ父祖の地と聞くからにどこやら父に似し人の行く
そろそろ梅雨じめり。去年の今ごろは、大阪朝日会館の愛読者大会へ出席がてら、鵯越え一ノ谷の史蹟歩きの果て、大腸カタルを病んで、お盆近くまで病臥してしまった。今年は過日の歌舞伎座における大会にもまずつつがなく読者諸兄姉にお会いできて愉しかった。しかし、ぼくの話は相変らずで聴衆には興もなかったことであろう。その時も話したことだが、那須余一の扇の的とか、屋島前後のいろんな史話は、すべて人口に膾炙しているので、めったに除くわけにもゆかないが、平軍の敗走理由や、余りに分かりきった矛盾のある所は、思いきって、ぼくは古典の弊を書き改めた。
なぜ、といえば、一ノ谷でも屋島でも、平家はいつも源氏の引っ立て役に出て、敗ける道具にしか使われていないからである。たとえば、屋島合戦の直前、三日三晩にわたる戦前の大暴風雨が、義経の上にはあったとしてその勇気や決断を讃えてやまないが、屋島にも同じ台風があったという同情はちっとも書かれていない。