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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
居所と作品の宿縁を考えてみると、短篇は措いて、自分のこれまでの長いものでは、宮本武蔵、太閤記などは、赤坂表町に住んでいたころに書き、親鸞は芝公園で、三国志はその両方で、そしてどれも、旅先の仮の机で書いた部分がだいぶある。ことに武蔵は「新・平家」ほどではないが、遺蹟歩きや地勢などを見る必要もあったので、ずいぶん思い出の旅先が多い。中には、ほんの一、二度の例にすぎないが、旅客機の座席で膝を机に書いたりしたときもあった。
空の上は例外だが、いったい、ぼくの習癖としては、そのいる所を、低い湿地だの、暗い壁の隅だのに置くことは嫌いである。ひとみたいに押入れの中などではとても書けない。高燥が好きである。いまいる高原などは性に合っているのかもしれない。特に、「新・平家物語」のような“大きな時の流れ”を主題に、浮沈喜憂する人間諸業のすがたを観ようとするばあい、人間離れをしない程度に、こういう居場所は何か心の視界に都合がいい。
秋というと、近所隣も、みな空家ばかりだが、夏の軽井沢は、人間離れどころではない。ジャーナリズム網も張られているので、雑魚のぼくらまで御難にかかる。