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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
ぼくの書くものが右に見えるか左に見えるか、ぼくは知らない。多分、読者の素心による思い思いに読まれるのであろうとおもう。
過去には、決算がついている。古人の業とか、人心の演舞の歴史には、すべてラストの答えがそこに出ている。ありのままを読まれて、現代と明日との、思索と反省の資としてもらえば希いは足りる。右、左、いずれに偏するのも、作家の道ではない。読みようはおのおのの心まかせである。ぼくは机を横にしてまで、そのどっちへも向くつもりはない。
源平紅白の二陣の対立を書き、あの世代の合戦を書き、また修羅、陰謀、武門の宿命などを描く。それだからと、子どもみたいにいわれては困る。食、性、闘、の三つは、人間本能の最大なるものだ。きょうまでの地球上の人間歴史は、闘争本能の動力がころがして来たといってよい。性愛本能をきょうのごとく掘りさげて描くならば、闘争本能も、直視して、書くべきだとおもう。しかもこれの結論はむずかしくない。いかに、それの繰返しの儚いことか、愚かなことか、古典平家の全篇はその悲曲である。西行を初め幾多の人間が、いのちをかけ、身を示して、いうのである。