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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
蔑められていた地下人階級の擡頭が、始まりです。
後の大きな人間悲劇をかもした二院政治(朝廷と上皇との)も、保元の乱も、素因は、じつに、天皇御自体のうちにある。また、まわりの妃嬪や、貴族たちにあります。が、従来は、触れ得ない所でした。今日では、ここもふつうに書けます。“新しい平家”が書かれてもよいと思ってやり出した所以です。
古典平家には、一貫したストオリはありません。各章の史的挿話が、人間の無常、栄枯の泡沫、愛憎の果てなさなど、組みかさね、組みかさね、十二世紀日本を構造して見せ、抒情し去ってゆくのであります。私の「新・平家」もそれには似るかもしれません。ただ古典の貴族中心を、私は同時代の庶民の相からも書きたい。殊に、宮枢の秘に触れ、天皇、上皇、妃嬪たちをも、一列の登場人物とみなして、淡々と、えがいてみたい希いを伴っています。
いままでのところ、この物語は、ほんの序曲で、院の北面革新を思って生まれた院の法皇御自体が、すでに、甘美な制度から遁れ得ていない。鳥羽の寵姫、美福門院は、すでに、幼帝近衛の御母であり、ここにまた、女院政治すら行われそうです。
美しさ、限りもなく、醜さ、あやうさも、際限のない、人間の落花期を、また、大地からは、べつな人草が萌えんとしています。