輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

線上閱讀太宰 治《パンドラの匣(パンドラのはこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,644 字 · 386 頁

青空文庫

その詩の作者と僕は、この数箇月ベッドを並べて寝ていたとは、にわかに信じられぬ事であった。僕には詩というものがちっともわからぬけれども、君も御存じのとおり、天才の詩人というものを尊敬する事に於いては、敢えて人後に落ちないつもりだ。

「あのひとが、ねえ。」しばらくは、感無量であった。

「いや、はっきりした事はわからんよ。」と君は少しうろたえて、「さっき、ちらと見ただけなんだから。」

とにかくそれでは、もっと、こまかに観察してみようという事になり、そろそろ日曜慰安放送の時間もせまって来ていたし、僕たちは階下の「桜の間」に帰った。越後は寝ていた。僕には、あの時ほど越後が立派に見えた事は無い。それこそ、まさに、眠れる獅子のように見えた。僕たちは顔を見合せ、ひそかに首肯き、二人一緒に思わず深い溜息をついたっけね。緊張のあまり、僕たちは、話も何もろくに出来ず、窓を背にして立ったまま、ただ黙ってレコオドの放送を聞いていたっけ。番組が進んで、いよいよその日の呼び物の助手さんたちの二部合唱「オルレアンの少女」がはじまった時、君は右肘で僕の横腹を強く突いて、

「この歌は、花宵先生が作ったんだ。