輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《上杉謙信(うえすぎけんしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,102 字 · 256 頁

青空文庫

――そのお館の御精神が、どこにあるか、日ごろからどんな御気性か、それくらいなことも弁えずに、おぬしらは、よう御奉公が成るな。命をさしあげられるな。――兵法とは押太鼓うち鳴らして敵へかかるときだけのものではない。親のこころ子しらずといったのはその辺の微妙にある。へたな息り立ちをして騒ぐ事は、かえって君意を煩わし、いわゆる這般の妙機を邪魔するだけだ。……ここ暫く関東の遠征から戻って来たばかり、またすぐ戦陣には赴きたくない、というような顔して、各※(二の字点、1-2-22)、随分ぼんやりしておられたほうが忠義でござろう」

と、笑って、また、

「見たまえ。その甲州へは、選りに選って、斎藤下野という者を遣ってある。藩中人も多いのに、あの下野を遣わされるなどは、老臣方の眼鑑では決してない。お館の御抜擢だ。――以て、畏れ多くはあるが、君公のお胸三寸下に、何があるか、分ろうではないか。察するに難くないではないか」

と、むすんだ。

もう誰も、それに息り立つものはなかった。いや、その場だけではなく、さしもごうごうと喧しかった春日山城の内外をつつむ悲憤の声も、屈辱のさけびも、以来、急に鳴りをひそめてしまった。