輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《上杉謙信(うえすぎけんしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,102 字 · 256 頁
が、謙信はその期間、敢て、甲信に兵馬をうごかさなかった。
のみならず今川家から、この塩止政策の同盟を求めて来た使者に対しても、
「当家においては、疾くに当家として、策も立ておれば、御喙容には及ばぬ」
と、追い返してしまった。
しかし三河の徳川家康とは、この年、対甲同盟をむすび、いよいよ信玄に対しては、間隙をゆるさなかった。
苦しまぎれか、信玄は依然、諸州へ兵を出した。専ら塩を獲ようとしたのであろう。上州の上杉領へも突出して来た。捨ておけじと、謙信は直ちに三国山脈を越えてこれを撃退し、彼が、甲府へ退くと、自分も越後へ帰国した。
帰るとまもなく、謙信は、粮倉奉行の蔵田五郎左衛門を呼び、
「このたびの出征に、甲信地方の領民の生活を聞き及ぶに、うわさ以上の塩切れに、百姓共の苦悩は言語に絶しているらしい。――早々、わが北海の塩を、水陸より甲信地方へ転漕してつかわせ」
と、命じた。
五郎左衛門は耳を疑って、
「敵国へですか?」
と、怪しみながら念を押した。――そうだ、と謙信は大きく頷いて見せ、且つ、注意を加えた。
「もとより城中の塩倉を開けるわけにはゆかぬ。城下の商賈に令を出して、甲信側の塩商人へどしどし塩を売ってやれ、と奨めればよいのだ。