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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
線上閱讀牧 逸馬《世界怪奇実話(せかいかいきじつわ「じょぶん」)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 251,305 字 · 498 頁
それにしても、着物、言葉、態度、生れつきの俳優と言おうか、やはり一種の天才だったことは疑いを入れない。三個月間カラブウ殿下になりすまして、一ことも英語を滑らせなかった。英語のわかるようなまばたきさえしなかったのだ。この無学な女が、一つの言語を発明して、あの出たらめの文字とともに、英吉利中の学者を完全に煙に巻いたのである。人騒がせが面白かったのと、楽な暮らしがしたかったからだと言っている。露れさえしなければ、東印度会社の手で、スマトラへでも何処へでも行くつもりだったらしい。徹底している。すべてが詐欺と判った時、可哀そうなウオロウル夫人は、あまりのショックに寝込んでしまうし、人一倍肩を入れたウイルキンスン博士は、責任を感じて公職を退いた。一八一七年の出来事である。そもそもカラブウがああしてホルトン方に現れて騒動の発端となったのが、四月馬鹿――四月一日――の翌日だったことも、大いに洒落ているが、「殿下」と同罪に、もしくはそれ以上不届きなのは、かの葡萄牙人マニュエル・アイネッソ君だ。与太を与太に「通訳」したのだから念が入りすぎている。出鱈目の「カラブウ語」