輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ごべんのつばき

五瓣の椿

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《五瓣の椿(ごべんのつばき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 149,721 字 · 296 頁

青空文庫

「あとは聞くまでもなくってよ」おしのは燗徳利を持った、「はいお酌、――あたしが相談したいと云ったのも、そのことなんだから」

「いやそうじゃあねえ、おれの相談てえのは、おめえと夫婦になるってこった」佐吉は酒を飲んだが、大半はこぼした、「おめえは金はずいぶん持ってるらしいが、江戸をずらかるとすれば旅切手も要るし、女一人よりも夫婦者のほうが安全だ、それにおらあずっとめえから、おめえに首ったけなんだから」

「聞くまでもないって云ったでしょ」おしのはまた酌をしてやった、「それはあたしのほうから相談しようと思ったことじゃないの」

「へ、へ」佐吉は卑しく狡猾に笑った、「その手はくわねえ、飴を砂糖で煮つめたような、そんな甘い手に乗るおれじゃあねえ」

「なにがその手なの」

「沢田屋に手を取って教えられた色の手くだ、知らねえ者はぼっとくるだろうが、この佐吉にゃあおあいにくだ」と云って彼は立ちあがり、炬燵をまわって、よろめきながらおしののほうへ来た、「もしいま云ったことが本心なら、おめえじたばたあしねえ筈だぜ」

「あんたは負けない性分ね」

佐吉はおしのを羽交いじめにした。うしろから羽交いじめにし、荒い息をしながら、頬へ頬をすりつけた。