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よじげんひょうりゅう

四次元漂流

海野 十三

線上閱讀海野 十三《四次元漂流(よじげんひょうりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 頁

青空文庫

第二は、偶然、その扉の錠が下りたのだという説である。

第三は、雪子学士は家出をしたのではなく、その研究室又は邸内のどこかにいるのではないかというのである。それは、雪子学士が自分の考えによって、わざとかくれているのかもしれないし、或いは、そういう秘密の小屋か地下室かがあり、その中へ用事のため雪子が入ったところ、戸がしまってでてこられなくなったのではないかともいう。

しかしこの三つの説は、今のところ、どれも皆、本当のように思われなかった。

というのは、第一の、部屋の外側より部屋の内側の扉にさしこんである鍵をまわして錠を下ろすという方法は、この研究室ではできないことだった。外国で、それに成功した話はないでもないが、それは糸を使ってやる方法で、扉と床または鴨居の間に、まっすぐに通した隙間がなければできないことだった。雪子学士の研究室の場合は、その隙間がなかったのだ。すなわち扉は外側から額縁みたいな壁体によってぴしゃりと接し、扉の上下左右にはまっすぐな隙間ができないから駄目であると分った。

また相当厳重な家探しをした結果、秘密の部屋は発見されなかった。

第二の、偶然に錠が下りたと考えるのは、あまりに実際に遠い。