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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁
お彼岸がきた。
天王寺へ参詣の人たちがぞろぞろ集まり、将門眼鏡のホニホロや、河内十人斬のからくりや、亀の池の経木流しが押すな押すなの繁昌をさせていた。今ぞ季節の売り物とばかり落語家たちは「天王寺詣り」の落語を、毎晩のように伺った。
桜が咲いた。
これも落語で知られている鶴満寺の桜。
同じく造幣局は桜の宮のお花見。
それから町も町、町のド真ん中にある土佐の稲荷の夜桜が、夢のように霞んで咲いた。
塀で構われた小さな馬場を思わせる空地の周囲の桜の木々が一時に満開して、そこへ町家の人たちが緋毛氈を敷き、重詰めを開き、ちろりのお酒をお燗して、三味線を弾いてさんざめいた。
新町では木の花踊り、北と南とでは浪花踊り、負けない気になって物言う花も、ここを先途と艶を競った。
町々へは早やはつ夏の訪れを知らせるように遠く能勢から蹲躅売りが来、なぜか、この頃になると、しがらきやわらび餅とて葛餅を小さくしたような餅菓子の類を粋な手拭で顔を包んだ若い衆が屋台を引っ叩って売りにきた。
そろそろ野田では藤が咲こう。
もうその時分には今松も、よほど上方というところに、上方の寄席のなかの気ッ風というものに馴らされてきていた、よんどころなく。