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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁
のあの番頭のお立て替えの場面を直ちに連想し、とっさの場合に、極めて自然にこう答えられた。それほど席亭といえどもまた、好きで落語の世界の大池のなかへ身も魂もヌキサシならないほど深く沈み込ませてはいたのである。
歌団治の話といい、助丸の話といい、またこの席亭の話といい、どれも嬉しく今松は聴いた。
どうしてどうして上方にも、なかなか面白い人がいるんだな。
こう思って今松は恐れ入ったが、ただハッキリ言わせてもらえるなら、歌団治も、助丸も、愉快なことは愉快だが、みんな席亭からお金ばかり借りたがっている了見の表れの奇行百出であることが、面白くなかった。要は、みんな手前がいくらかもらいたいだけ。
手前のことのほかは、なにひとつ考えていやがらない根性なのだということが飽き足らなかった。
むしろ不愉快でさえあった。
鶴左衛門の「ヘッヘヘヘヘ」を聞いてとっさに「煙草の火」を連想し、手文庫を引寄せた席亭の了見が花も実もあって、いちばんこの人が江戸っ子に近いと思った。
長い浮世に短い命。
ましてや好き好んで飛び込んできたこの芸人の世界じゃないか。
もう少しコセコセしたところのない浮世離れた、大阪の言葉で言おうなら「ぞこぬけた」