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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁
「いけねえ」
あわてて小助六は首を振った。
「ト、とんでもねえ、酒なんか鶴亀鶴亀。オイ駄目じゃないか俺に酒なんか飲ましちゃ」
怒ったような声を出してしまった。
「アラ、私召し上がれなんて申し上げませんよ」
驚いて小女は頬を膨らし、サッサと奥のほうへ行ってしまった。
「いや大失敗大失敗」
後見送って苦笑しながら小助六は頭へ手をやった。
ああ、俺って奴、今日はさすがによっぽどガッカリしてやがるんだ。
だから、知らず知らずのうちにお酒二本なんて言ってしまったんだ。
せめては飲んで、うさをば散じたかったんだろう可哀想に。
でも――でも、ここだ。
ここが大事の瀬戸際だ。
こんな晩にこそ、歯をくいしばってでもジイッと我慢するンでなくっちゃ、せっかくの今までの禁酒が台なしだ。
もう雷門小助六の看板を上げてしまった俺じゃねえか。
「姐さん御飯のほうを御願いしますよ」
今時分になっててれたように奥を見て言った。
結城の羽織に、藍微塵の袷という五分のスキもないこしらえが、春の灯のなかでいい落ち着きを見せていた。
間もなくもう少し年上の白粉を濃くつけた女中が、鬼がら焼を運んできた。