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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁

青空文庫

「ア、わかった師匠。じゃアあなた、あッしの吊った棚へなにか載せやしませんか」

「オイオイ、いい加減におしよ馬鹿馬鹿しい。世のなかに載せない棚てのがあるもンかネ」

あきれ返って圓朝はもうなんにも言わなくなると、しばらく細い目をパチパチさせていたが、

「まア、そんな話はどうでもいい。ここに紋付が出ているから早くそれを着ておしまい。すぐ近江様へ年忘れの芝居噺のお座敷にゆくンだ。いいかイ、私も着替えてくるから」

言いつけたまま奥へ入っていった。

まもなく支度のできた二人は、代地河岸の家を後にした。うやうやしく三つ扇の黒紋付を着た圓朝の後から圓太郎は、芝居噺の道具の入った大きな風呂敷を担いで両国橋を東へ。横網の近江様のお屋敷へと急いだ。△△侯爵邸を俗に近江様という、横網の河岸ッぷちに名物の赤い御門が見えていた。その赤門のくぐりから圓朝主従は入っていった。

案内を乞うと、用人がすぐ二人を楽屋にあてられた休息所へ連れていった。が、圓太郎はそこにオチオチしていられなかった。すぐ芝居噺の組み立てにかからねばならなかった。背負っていった大風呂敷を持って彼は、舞台のほうへ出かけてゆくと、定式幕や野遠見の背景や小道具の稲叢を飾りつけた。