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よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁
ヘの次はトになる。
ではトでござんすか、よっぽど言おうかと思ったが、この場合、そんなことを言ったら、半殺しにもされ兼ねまいと思って、おかしく口の中でその言葉を噛み殺していた。
「ヤイヤイ手前は、いったい、なんの怨みがあってうちのお六をあんな目に遭わしやがったんだ」
はじめて師匠が言い出すと、
「ほんとだよお前。あまり私たちがいい人だと思ってなめるのもたいていにしておくれよ」
昔、根津で勤めをしていたという、眉の剃りあと青いお歯黒つけた、デップリと大柄のお神さんも、脇から険しい声を立ててきた。
「あの、お六ちゃんを私が……」
今松は首を傾げた。
どうしたというんだろう、いったい。
どうもなんの覚えもない。
「あのなにか、私、お六ちゃんに不都合でも」
「ナナ、なにを言やがるんでえ」
なめるのもいい加減にしろと言わないばかりの顔をして、
「白ア切るならこっちで言ってやらあ。手前、昨夜、俺たち夫婦の留守へ来やがって、お六の奴に唐人髷を結ってやったろう。それァいい。それァいいがいったい手前、なんでその髷結やがった。そこの机の上に置いてあったお六の煉羊羹で結いやがったろう可哀想に」