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よせ

圓太郎馬車 正岡容寄席小説集

正岡 容

線上閱讀正岡 容《圓太郎馬車 正岡容寄席小説集(よせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 頁

青空文庫

それがこんな大磯くんだりで私と二人会なんて」

つまらないことを言っちゃいけねえと言う顔を、今松はした。

「ところがそれがそうなのだから世のなかは面白かろう」

伯水はゴリゴリと自髪頭を撫で上げた。

「ド、どうして」

「俺も旗を巻いて逃げてきた、お前を聴いて」

「ソソそんな……そんな馬鹿な」

「ほんとだ」

「冗……冗……」

「いやほんとうだってば。まあ聞かっせえ、しまいまで。じゃ言おう。お前さん、一昨々日の晩、柳美館とやらで、『一休禅師』と『小夜衣』と読みなすったろう」

「……オ、よく御存じで」

「聴きに行ったんだ、わしもあれを。番頭めがなにか隣の先生と二人会をやらせるなどと言いくさる。この年になって若い者に怯れを取ったら神田一門の名折れじゃと、恥を忍んで聴きにいったよ、お前さんの高座を。するとうまい。滅法いい」

「か、からかっちゃいけねえ先生」

「いやまったくだ。今考えてみれば落語家さんだそうな。それじゃ当たり前の話だが、『一休』のおかしさといったらない。正直に言うと後席の『小夜衣』は妙に悲しいところはいただけるが、まだまだ一人前にはちっと遠い。しかしだな。『一休』のほうは、今日日の駆け出しの講釈師にゃ、とてもあれだけには笑わせられん。