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おおおかえちぜんのどくりつ
大岡越前の独立
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《大岡越前の独立(おおおかえちぜんのどくりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,968 字 · 24 頁
「只今、南奉行御役宅におきまして、天一坊常楽院、赤川大膳以下を召捕りまして御座りまする。供の者一同も、数寄屋橋を固めて駕の者まで残りなく――」
「山内と申す奴は」
「品川の旅宿にて、切腹との儀に御座ります。以上、口上に御座ります」
「御苦労」
才五郎は、平伏すると、そのまま二三尺後方へ退って、もう一度平伏して、立上ると、出て行った。
「やったの」
と、信祝は微笑した。
「越前め、又、何ういう所存になったやら」
と、稲葉が、呟いた。
「ここだけの話」
と、信祝は、声を低めた。
「あいつは、融通の利かぬ男じゃから、帯刀と談合の上、丁度、感応院の蔵の中に、宝沢の笠のあったのを幸い、犬の血をつけて、切り目を作っての、越前の下役共の先廻りをして、これを贋者の証拠品にしておいたのじゃ。越前めそれを探し出して、贋者と考えたらしいが、とんだ手品をさせられたものじゃ、あははは」
と、朗らかに、得意そうに、笑った。
「判官としては、古今無類の仁じゃが、政治の妙機は判らぬでのう。法は活物、臨機応変に妙味があるが、越前のは理非曲直、ただ法を枉げない事に専らで――」
「と、申しかけると、あいつ又、いろいろこねるでのう」