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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
線上閱讀徳冨 蘆花《小説 不如帰(しょうせつ ほととぎす)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,742 字 · 256 頁
四の四
と浪子はほほえむ。
「もうすぐ蕨の時候になるね。浪さん、早くよくなッて、また蕨狩りの競争しようじゃないか」
「ほほほ、それまでにはきっとなおりますよ」
四の四
明くる日は、昨夜の暴風雨に引きかえて、不思議なほどの上天気。
帰京は午後と定めて、午前の暖かく風なき間を運動にと、武男は浪子と打ち連れて、別荘の裏口よりはらはら松の砂丘を過ぎ、浜に出でたり。
「いいお天気、こんなになろうとは思いませんでしたねエ」
「実にいい天気だ。伊豆が近く見えるじゃないか、話でもできそうだ」
二人はすでに乾ける砂を踏みて、今日の凪を地曳すと立ち騒ぐ漁師、貝拾う子らをあとにし、新月形の浜を次第に人少なき方に歩みつ。
浪子はふと思い出でたるように「ねエあなた。あの――千々岩さんはどうしてらッしゃるでしょう?」
「千々岩? 実に不埒きわまるやつだ。あれから一度も会わンが。――なぜ聞くのかい?」
浪子は少し考え「イイエ、ね、おかしい事をいうようですが、昨夜千々岩さんの夢を見ましたの」
「千々岩の夢?」
「はあ。千々岩さんがお母さまと何か話をしていなさる夢を見ましたの」
「はははは、気沢山だねエ、どんな話をしていたのかい」