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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

線上閱讀徳冨 蘆花《小説 不如帰(しょうせつ ほととぎす)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,742 字 · 256 頁

青空文庫

六の二

母上様御承知の通り、彼は重々不埒のかども有之、彼がためには実に迷惑もいたし、私儀もすでに断然絶交いたしおり候事に有之候えども、死骸に対しては恨みも御座なく、昔兄弟のように育ち候事など思い候えば、不覚の落涙も仕り候事に御座候。よって許可を受け、火葬いたし、骨を御送り申し上げ候。しかるべく御葬り置きくだされたく願い奉り候。

※(始め二重括弧、1-2-54)下略※(終わり二重括弧、1-2-55)

武男が旅順にて遭遇しつる事はこれに止まらず、わざと書中に漏らしし一の出来事ありき。

六の二

武男が書中に漏れたる事実は、左のごとくなりき。

千々岩の死骸に会えるその日、武男はひとり遅れて埠頭の方に帰り居たり。日暮れぬ。

舎営の門口のきらめく歩哨の銃剣、将校馬蹄の響き、下士をしかりいる士官、あきれ顔にたたずむ清人、縦横に行き違う軍属、それらの間を縫うて行けば、軍夫五六人、焚火にあたりつ。

「めっぽう寒いじゃねエか。故国にいりや、葱鮪で一杯てえとこだ。吉、てめえアまたいい物引っかけていやがるじゃねえか」

吉といわれし軍夫は、分捕りなるべし、紫緞子の美々しき胴衣を着たり。