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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《山彦乙女(やまびこおとめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,360 字 · 251 頁
「小仏の関所ではなんの故障もなかった、道中規則はちゃんと守っている、大老柳沢侯の荷駄である、しかもこの関所に至って、急に検察の命令が来たとなると、その理由や出所を訊くのは当然ではないか」
「しかしそれは、この荷駄に限って、というわけではないので」
「まぎらわしいことを云うな、そこもとはこの関所の関守であろう」来太は喚きだした、「しだいによっては江戸へ戻り、老中、大目付へ訴えて出る、その急使の出どころと、出した者の名を聞こう、それまでは断じてここを動かんぞ」
一般的にいって、不正なことをする人間ほど、威たけだかで、堂々として、正義派めいた口をきくようである。来太の舌鋒も、その圧迫的な姿勢も、そういう種類のものに、かなり似かよっていた。
明らかに、小橋甚兵衛は当惑していた。
できることなら、相手の要求に応じたであろう。しかし、それは不可能であった。その荷駄を検問せよ、ということは、きょう初めて会う青山主馬の通達であった。主馬は「遠国鉄炮改」役、仙石丹波守の符札を示して、その旨を伝えた。
小橋与力はもちろん主馬を知らない。もしも主馬が身分を偽り、符札が贋であるとしたら、相手が柳沢侯の荷駄であるし、関守としては重大な責任問題となる。