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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
線上閱讀室生 犀星《或る少女の死まで 他二篇(あるしょうじょのしまで)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,554 字 · 228 頁
「よし貴様が黙っているなら、いつまでも其処に立っておれ。」
こう先生は言って荒荒しく教室を出て行った。私はやっと顔をあげると、いままで怺えていたものが一度に胸をかき上った。顔が火のように逆上した。私は痛い頬に手をやって見て、そこが腫れていることに気がついた。私は撲られたとき、もうすこしで先生に組付くところであった。けれども怺えた。
私はもう午後五時ごろのように思った。そして窓から見ていると先生方はみな帰って行った。そのなかに私の先生もいた。そうだ。先生が帰っては、もうとても帰してくれるものがいないのだ。
私はすぐに自分の席からカバンを取ると、さっさと帰った。そとは楽しかった。うちへかえると母は小言を言った。
「また居残りでしょう。」
私は姉の室へはいるともう眼に一杯の涙がたまった。姉はすぐに直覚した。私は姉に縋りついて心ゆくまで泣いた。
「あなたの先生もひどい方ね。ちょいとお見せ。まあ可哀想にね。」
姉は私の頬を撫でて、涙をためた目で私を見つめた。私は胸が一杯でものが言えなかった。言いたいことが沢山あった。しかしどうしても口へ出なかった。
「あたし先生に会ってあんまり酷いって言ってやろうかしら。