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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

「直鎗とちがって、カギ鎗の特長というのは、三手が引ッ掛け、上下左右、四手が撥い、さらに突! また分! あわせて九ツの変という」

と、教えること、じつに懇切だった。

かつはその男振りも見事である。「雨江月」という唄の集にも徐寧をうたった歌詞があって――

六尺ゆたか

身はやなぎ

花のかざしを

かぶとに挿して

いつも行幸の鳳輦に

添うて行くのはありゃ誰か

禁門一の鎗つかい

徐寧

三ツ児も知る徐寧

聚議庁の廻廊に立ちならんで、遠くから彼の教練ぶりを眺めていた晁蓋、呉用、宋江、ほかあまたの領袖たちも、

「……見事だ」

と、見惚れて、頼もしげにみな讃嘆をもらしあった。

かくて七隊七百人の鎗隊が磨き上げられたので、ひそかに泊中では官軍撃破の秘計を練りに練り、本軍、遊軍、騎隊、砲隊、潜行隊、また水寨の水軍などもあわせて無慮八千、或る夜、忍びやかに無月の江灘を渡って総反撃に出て行った。

一方。

官軍がたの呼延灼にしても、この間、むなしくいたわけではない。

あらゆる攻勢をこころみ、偵察も出し、わけて水寨を窺ッて、しばしば船庫の焼打などにも出ていたのだったが、泊の守りはかたく、いつも失敗に帰していたのである。