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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

なんとも、お見それ申しやして」と、いとも神妙に、三拝九拝して、一献差し上げたいという申しいでなのである。

下地はよし、折ふしの炎暑に、智深も茹ッていたところであるから、一も二もなく、誘いにまかせた。そして彼らについて出て見ると、園の蓄水池の畔り、涼しげな楊柳の木蔭に、莚をのべ、酒壺を備え、籃には肉の料理やら果物を盛って、例の与太もン二、三十が恐れ畏んで待っている。彼らは頭を揃えて、

「へえい。以後は決して、こち徒ら一同、畑荒らしはいたしませんし、ご菜園の御用とならば、どんなことでもいたしますから、どうかひとつ、今後はお手下の耕夫同様におぼしめして」

「えらく今日は行儀がいいなあ。なあに、寺でも食いきれない菜園だ。適度には持ってゆけ、持ってゆけ。その代りちょいちょい、わが輩へのお年貢を忘れるなよ」

智深は遠慮なく飲み大いに食らった。ちんぴらどもは彼の酒量に驚き呆れ、三度も酒屋へ馳けつけた。

「……おや、なんだこれは?」

彼はやっと気がついた。彼の肩や頭へ何か時々、楊柳の上からポトと落ちてくるものがあった。手で撫で廻したのは不覚である。鷺やら烏やら、とにかく鳥の糞にはちがいない。