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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

「はははは。そんな内輪ごと、なにも、初めて知ったわしではないよ」

「でもネ、折がまずいや。……小五哥いも、目が出ねえらしいが、どうも早や、あっしら兄弟は、みんな、ばくち好きの、ばくち下手ってやつでしてね」

「近ごろ、いけませんかな」

「近ごろなら、先生、まだいいんですがね、もう一年以上も、取られっ放しの、素寒貧つづきですよ。魚をとったぐらいじゃ、いくらとったって、間にあわねえ」

「小二哥い、およしよ」と、小七が横からいった。「つまらねえことを、お耳に入れたって、頭を掻いたくせに、自分からまた、シケたぼやきをお聞かせするたあ、どんなわけだい」

「ちげえねえ。先生、笑ってください」

「はははは」と、呉学人は、彼らの註文どおり大いに笑って、「――いつも、おまえ方は、明るくていいな。運は時のものだ。時が来れば、あっち向きの花も、こっち向きに咲き変る朝もある」

言いながらも、じつは心のうちで、これは脈がある、わが計なれりと、ほくそ笑んだ。

漕ぎゆくほどに、村の漁師町が望まれてきた。旗亭の旗も見える。橋畔の家々の洗濯物も見える。舳はずんずん岸へ寄せていた。

「ああ先生。いい都合だった。