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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁
と、兄弟顔見あわせての嘆息だった。
呉用は心ひそかに、しめたと思う。どうやらこの辺に、兄弟の本心を引き出す鍵がありそうである。――と見たので、杯も下において、
「ほ。……それが落ち目の原因とは一生の大事ではないか。あんた方三名、人なみ以上な五体と若さを持ちながら、なんでそんな運命に負けて指をくわえていなさるやら。……はて、わからんな、もすこし打明けたところを聞かせてくださらんか」
せまくても石碣村の浦人仲間では、男名を売っている兄弟三人が、「――なんでそんな運命に負けて指をくわえているのか」といわれたのだから、少々口惜しかったにちがいない。――そこで兄弟こもごも、憤然とじつを訴え始めたが、それこそは、加亮先生呉用の思うツボであったであろう。
「……なにしろ、先生。その梁山泊ッていうのは、群盗の根城なんです。いってみればまア天下に恐い者なしの無法者の巣ですからね、かなやあしません」
「それは初耳だな。いったい、どんな人間どもが寄っているのか」
「白衣秀士の王倫ていうのが大将株でしょうか。こいつはなんでも、東京の役人試験に落第した書生くずれだそうで、以下、摸着天の杜選とか、雲裏金剛の宋万とか、旱地忽律の朱貴なんてえ手輩がおもだッたところで、手下六、七百人もいるんですから、いくら歯がみをしてみたって、こちとら兄弟じゃ