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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁

青空文庫

途中、その輸送を襲うて、これをせしめる手だてなどは、晁蓋やほかの同志と同席のうえでなお仔細に密議せねばならんが、要はそういう目的だ。すぐわしとともに東渓村まで行ってくれぬか」

「いきますとも」

小二、小五も二つ返辞で、

「おい小七。いつもおめえが、夢みたいにいってたことがよ、なんと、夢ではなくて、ほんまに来たぜ」

と、三兄弟、手の舞い足の踏むところも知らず、といった風なよろこびだった。

――明ければ、早朝から、兄弟いそいそと二日三日の旅立ち支度。呉学人を先にして、東渓村へさして行った。

月はまだ五月初旬の爽涼、若者の心そのままな薫風が袂を打つ。

東渓村へ入ったのは翌々日の午さがり。さすが荘院の示しがよいせいか、石碣村などとはくらべものにならない村道のきれいさ、村の土倉や、屋根もどことなく落ちついて見える。――と、彼方の一ト構えの土塀門の外、槐の下の木蔭に「今日もや着く?」と待ちうけていた晁蓋その人と、食客の赤髪鬼劉唐のすがたが、はやそこに見いだされてきた。

双方、すでに遥かより相見ながら、

「やあ」「やあ」

と、手を振り上げつつ相寄って行った。

六星、壇に誓う門外に、また訪れる一星のこと