輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新・水滸伝(しん・すいこでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 684,899 字 · 1374 頁
ここで宋江その人の、人となりを、もすこし詳しくいっておく必要があろう。
彼の家は代々、城県宋家村の医者で、宋江は三人兄弟の二番目だった。親には孝行で、人には義が厚いところから、村の衆は、彼を呼ぶに、孝義の黒二郎などといった。
色が黒いところからきた別名で、またの名を“黒宋江”とも呼ばれたが、ほかになお“及時雨ノ宋江”という異名もある。
綽名には愛称、嘲称、蔑称などはあっても、敬称は稀れなものだが、宋江の場合は、すべてに衆人の畏敬がふくまれていた。
及時雨――というのは、雨が欲しいときに雨を降らせてくれるようなありがたい人――という意味である。これだけでも、日ごろの彼が、いかに人々から慕われているかが知れよう。貧しきを宥り、弱きを助け、また世の好漢どもとの交わりも厚く、兼て剣技に達し、棒をよく使うが、そんな武力沙汰は、まだ一度も表にひけらして人に示したことはない。押司としては、役署向けの評判もよく、この人に限っては、吏員にありがちな汚職めいた蔭口も聞かれなかった。
――その宋江は今、東渓村に馳け入るやいな、荘院の門前の槐ノ木に、乗り捨てた馬をつないで、