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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
目睫の大決戦期に、敵前これを実施するのは無謀とも大胆ともいえる。もし間隙に敗れんか、敗因の罪は一に敵前土木の工などに、かかずらっていた迂愚にありと、世に嘲わるるは必定である。
が、彼は敢えてその迂を取った。まず領民を総結するためである。彼の仕えた信長の軍ぶりは、常に破竹の勢いを示し“信長の征くところ草木も枯れる”といわれたものだが、秀吉の軍はやや趣を異にし、彼の征く所、陣する所、おのずから民を寄せ、市をなし、まず克く民を持つ――そのことを、敵に勝つ前の大事としていた。秋霜凛烈はもとより軍紀の骨胎だが、血風蕭々の日にも、彼の将座にはどこか春風が漂っていた。誰やらの句にもいう。
春風や藤吉郎の居るところ
――なる趣が確かにあった。
さて。砦の設営箇所は、北国街道中之郷の北山から東野山、堂木山、神明山への第一線地区と。――岩崎山、大上山、賤ヶ嶽、田上山、木之本などの第二陣地区にわたる広範囲なもので、当然、延何十万人もの労員を要する。
秀吉は長浜の領下からこれを徴集した。特に戦災地には高札を立てさせた。
一 老幼男女を問わず、せむし足なえたるも構いなし、土かつげぬ者は、縄ないさせ申すべし。