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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
さらに、総大将柴田勝家も、同時刻、中尾山の本営を出たこというまでもない。この中軍兵力は約七千である。即ち、北国街道を流れ下って、狐塚まで進み、東野山方面にある有力なる敵――堀秀政の兵五千――をひきつけて動かさぬために、敢えて、旌旗堂々たる進出を誇示した。
かくて、かかるまに、夜はようやく、明けなんとしている――
この日、陰暦四月二十日は、陽暦の六月十日にあたり、ひと頃より、夜はずっと短くなっている。日の出は、四時二十六分のわけである。
中入りの先鋒、不破彦三、徳山五兵衛、原房親、拝郷五郎左衛門、安井左近太夫。それに玄蕃允の弟、佐久間安政などの諸将が、余吾ノ湖の白い汀を、暁闇の下に見出でた頃が――ちょうどその刻限でなかったろうかと思われる。
その兵四千につづき、すぐあとの一隊四千があった。これが中入り本隊で、佐久間玄蕃允盛政は、その中にあった。
霧が深い――
余吾の湖心に、ぽかっと、虹色の光が見える。それだけがわずかに暁を思わせるだけで、前を行く味方の馬の尻すらよく見えぬほど、草原の道は未だ暗かった。
旗も甲冑も、槍の柄や草鞋、脛当などはもちろん、水の中を行くように、しとどの露に濡れていた。