輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁

青空文庫

けれど、武勇にも限りがあった。彼と共に、奮戦していた近侍の小姓や馬廻りの面々は、敵の新手新手を迎えて、大部分が斬り死していた。

この間にも、味方の桑山重晴の使いが、幾度、彼の後退を促しに来ていたか知れなかった。岩崎山の高山右近からも、使番が馳せ来って、

「ぜひとも、ここはお退きあって、せめてお身ひとつなと、無事をお守りあるべしと、主人右近も、今朝来、わがことの如く、心痛いたしおりますれば――」

と、その高山隊の使番のごときは、強って、瀬兵衛の馬の口をつかみ、遮二無二、後方へ曳き退がろうとした程だったが、瀬兵衛は、

「ばかをいえッ」

と、いよいよ鬼となって、

「ここが退けるか。ここを敵に委して引き揚げろと申すは、この瀬兵衛に、男も名も、捨てろというに等しいことだ。――それ程、凡ならずと思うなれば、なぜ、賤ヶ嶽の桑山修理も、汝の主人高山右近も、速やかに、手勢をもって、馳せ加わらぬか」

叱咤と共に、その使者を、槍の石突で突き倒し、ふたたび阿修羅となって、敵兵を迎えた。

血戦場、約三町ほどの間を、こうして押しつ押されつ、一進一退を繰り返すこと十三回。――早暁、寅の下刻(午前五時)頃から辰の下刻(九時)にいたる約四時間というもの――よく戦いも戦ったり――ほとんど、眼に血の色のほかを見ぬまで奮戦した。