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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
「今暁からの合戦のもようを、逐一、申し上げましたところ、そうかそうか、甥めの面目見るようじゃと、いつものお口癖もしばしば出され、斜めならぬ御感悦にござりました」
「して、中川の首級は」
「すぐ御一見あって――たしかに瀬兵衛よ、と仰せられ、左右の方々を顧みて、幸先よいぞ、めでたい――といよいよ御機嫌の体にお見うけ申されました」
「さもあろうず」
玄蕃允は上機嫌だ。
勝家の喜悦を聞くことは、同時に彼の得意をも楽しませた。なお、その叔父をして、もっと大きな歓びに驚倒させてやろうという意図にすら燃えていたのである。
「岩崎山の砦もまた、つづいてわが手中に入ったことなど、北ノ庄殿には、まだ存じはあるまいに。……ははははは。さりとは、ちと御満足が早過ぎる」
「いや、岩崎山のことは、それがしがお暇申す頃には、早や狐塚にも伝わっておりました」
「では、再度、早馬には及ばぬな」
「そのことだけならば――」
「いずれ明朝と相成れば、さらに賤ヶ嶽も、わが手のものじゃ。併せて耳に入るるも遅くはあるまい」
「さ。……その儀ですが」
「その儀とは」
「戦いの大利に乗じ、余りに与しやすしと敵を見るは不覚のもとと、よそながらお案じの御容子で」