輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 187,757 字 · 375 頁
したが、殊のほか、見事な相手の振りに、今も忘れずにおりますわえ」
すると最前から聞き入っていた亭主の荻野河内が、
「近頃、めずらしいお話を承った。その折の武者の具足は、朱漆とは御覧なかりしか?」
法斎は、そうだと答えた。河内は、たたみかけて訊ねた。
「指物は、然々。――また、そのとき尊公の革胴に、槍の痕は残らざりしか」
「なかなか、仰せの通りじゃが……」
と法斎が、いぶかると、河内は、きッと改まった。
「客衆多くのなかで、よいお物語りを出されたものかな。その折の朱具足の武者こそは、この河内にて候う。仰せには、突き廻されて、引取ったりと聞えたが、迷惑な御記憶ちがい、末代までの家名にもかかわる儀、慥と、御詮索の上のこと、まいちど承り申したい」
開き直ったので、大議論になった。双方ゆずらないのである。
ところへ、河内の一子、生年十七歳の若者が、台所を手伝っていたので、袴も着けず、それへ来て、二老の前に両手をつかえ、
「さてさて、御老人たちは、戦場からお残り遊ばした余生を、恥よとも、勿体ないとも、思し召さず、よくもまあ、退いた退かぬなどと、愚かな喧嘩がおできになりますな。