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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 190,406 字 · 381 頁

青空文庫

清洲御立の後、風説頻りと行われおり候、御帰国の方途わけて御細心に、路上の変異くれぐれおん備被遊べく候

御侍側

とあった。

伊賀伊勢路へ出て帰るも、江州から美濃を越えて帰るにしても、敵国また敵国である。

伊勢には、宿年の敵、北畠家があり、美濃には、斎藤。そのほか、一尺の地でも、敵地を踏まずに帰れないことはいうまでもない。

「どう道を選んだが御無事であろうか。いっそ、船路の便ということも考えられるが」

信長の滞在している土豪の家に集まって、その夜家臣たちは、額をあつめて凝議したが、なかなかはなしは纒まらなかった。

すると、池田勝三郎。

信長の居間にあてられている奥のほうからずかずか出て来て、

「御一同、まだ寝ないのか」

と、そこを覗いた。

怪しからぬことを、といわんばかりな顔をして、一名がいった。

「大事なことを評議しておるのに、まだ寝ないのかとは、無礼なおことば」

「御評議中か、それは知らなかった。いったい何の御相談事か」

「殿のお側にありながら、暢気なことをいわれるものかな。宵に着いた飛脚の書状、ご存じないか」

「伺った」

「帰途、万一の変でもあっては一大事。