輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《樅ノ木は残った(もみノきはのこった)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 145,078 字 · 285 頁

青空文庫

それは席次の諍いが、国老の柴田外記、古内志摩らを相手になされたものなので、国老の関係事件であるため、主水が申渡しを代行したのであり、したがって伊東氏の滅亡には重い責任を感じている、というようすだったのである。

――あっぱれ成人したな。

甲斐はさりげなく、主水の横顔を見やりながら、心の中でそう呟いた。

――幼年の苦労が実をむすんだのだ。

主水は故周防定元の子で、六歳のとき幕府へ証人に出された。これは外様諸侯の家臣のうち、筋目正しい家の子を幕府に差出すもので、はっきりいえば「人質」であり、主水は六歳のときから十三年のあいだ、江戸の証人屋敷で育ったのであった。寛文六年の冬、父の周防が死んだときは、まだ証人屋敷にいたが、二年後に帰国し、同時に家督相続のうえ、一昨年、二十歳で若年寄に就任した。

――帯刀と同年だ。

甲斐はわが子のことを思い比べた。帯刀宗誠も同じ二十二歳、もう二人の子があり、第三子が生れようとしているが、神経がこまかすぎるし、躰格に似ず、どこかに脆いところがある。主水は亡き周防に似て、躯や顔だちは細いけれども、芯にはねばりづよい、ひと筋の強靱なものが感じられた。