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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《火星の魔術師(かせいのまじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 151,120 字 · 302 頁
惹き起すにいたり、関係当局を極度に心痛せしめている、発病者は矢張り過労者及び幼小児に多いがしかし原因治療法ともに全く不明のため防疫は消極的にしかも困難を極めており、この爆発的発病数が続けば、ここ数旬にして帝都は挙げて睡魔の坩堝と化し、黒死病の蔓延によって死都と化した史話の如く、帝都もその轍を踏む惧れなしとしない、なお当局では外出より帰宅の際はかならず含嗽を十分にして……
そんな様な意味の記事だった。
「なるほど、ね」
「まだある」
喜村は、村田が読み終るのを待って、こんどは神奈川版と書かれた面を指した、見ると茅ヶ崎にも。という見出しで、矢張りきのうの午後六時頃、小学生の一人が、眠り病の発病をしたことが報ぜられていた。
「ふーん、ここも危くなっちまったんだね」
「そうなんだ、美都子もくさっていたよ、それで君のことを気にして、早く起して見ろなんていっていたんだがね……。それはそうと、これは素人考えだけど、この眠り病の病原体ってのは、大陸から来たんじゃないかね――」
「どして――?」
「どして、っていうと困るが、つい一ト月ぐらい前にね、ここで訓練した軍用犬に附ついて国境の方まで行って見たんだが、あの辺にも相当この病気が流行っているらしかったぜ」