輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《花も刀も(はなもかたなも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 頁

青空文庫

そして、なにか用があるのか、と訊いた。

「まあ坐ってから話そう」と、平八は答えた。

部屋は六畳二つに玄関が三畳。ほんの一坪の庭に面した六畳は床の間付きであるが、古ぼけた茶箪笥と火鉢、炭取などのほかには、家具らしい物はなにもなく、床の間には刀架があるだけだった。

「いま火だねを貰って来る」

「茶ならたくさんだ、それより道場のほうはいいのか」

「道場のほうは断わった」

そう云いながら、幹太郎が厨から出て来て、平八と向きあって坐った。

彼はやや肥えていた。血気もよく、ひき緊った肥えかたで『山源』で会ったときからみると、人が違ったかと思うくらい、健康と精気に満ちた感じだった。

「あのときの女や子供はどうしている」と、平八が訊いた。

芝の金杉橋の近くにいる、と幹太郎は答えた。恩のある女だから、堅気になるまで面倒はみてやるつもりだ。うん、その話は聞いたよ、と平八が云った。しかし、二人の生活をみるのはたいへんじゃないか。なに、どうにかなるさ。ときどきゆくのか。うん、月に二度、稽古休みがあるから……そう云って、もうこの話はよそう、とでもいいたげに「用事はなんだ」と平八を見た。