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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(七)平次女難(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 頁

青空文庫

「お前が五貫目もある竹筒を担ぎ出したのでないことは、この平次がよく分っているが、お白洲の砂利の上ではそんな弁解は通らねえぞ。さアお角、小判をどこから出した、ここで言うか、それとも」

「言いますよ、親分、言います」

「どこで、誰から貰った」

「貰ったんじゃない、拾ったんです」

「何?」

「あの日の朝、お隣の前のドブ板の隙間から拾いましたよ」

「何枚あった」

「小判が三枚」

「本当だな」

「嘘なんか言うもんですか、親分さん」

「何だってまたすぐ使ったんだ」

「貧乏人が小判を持っちゃ使わずにいられませんよ。たった四五日懐の中へ入れておいただけで、持病の癪を起しそうになったじゃありませんか」

「ともかく、あとでお呼出しがあるかも知れない、当分どこへも出ちゃならねえよ」

「ヘエ」

「小判の残りは町役人に預ける、何枚ある」

「二枚と一朱残しましたよ」

「呆れた女だ」

平次とガラッ八は、その金を町役人に引渡して、プンプンして引揚げます。

が、事件はその晩のうちに、思わぬ方へ発展してしまったのです。

翌る日の朝。

「親分」

「また大変の売物か、八、今度は何だ?」

飛込んで来た八五郎の顔には、全く大変という字が草書で書きなぐってあるように見えたのです。