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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(七)平次女難(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 頁

青空文庫

なさるがいい。あの乞食が大名の落し胤だったりした日にゃ、大変な事になるぜ、ハッハッハッ」

万七はもう一つ若い平次の肩をポンと叩くと、言いたいだけの事を言ってクルリと、踵を返しました。

「…………」

平次は眉を顰めましたが、妙に万七の様子に自信があるので、うっかりした事も言えません。

それから半刻(一時間)ばかりすると、ガラッ八は埃と汗に塗れて飛んで来ました。

「親分ッ」

「何というざまだ」

「口惜しいよ」

「口惜しくたって、泣く奴があるものか、大の男が――、娘を見失ったろう」

平次に図星を指されたのでしょう。

「見失ったんじゃねえ。娘の後を跟けて、浅草橋御門を出るといきなり横合から飛出した野郎が、ドカンと突き当るんだ」

「尻餅をついたろう」

「尻に泥が付いているから、そんな事を言い当てたところで自慢にならねえ、――ね、親分、その突き当った野郎は、あっしが起上がると胸倉を掴んで、ポカポカッと来やがるじゃないか」

一刻者のガラッ八は、すっかり腹を立てて、親分の平次にまで食ってかかりそうです。

「それがどうした、八、落着いて物をいえ、大事なところだ」

「その野郎を誰だと思いなさるんだ。