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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,130 字 · 288 頁
あのお半という娘は正直すぎる、――俺に問い詰められた時の一生懸命な様子は、痛々しいほどだったよ。一生に一度しか嘘をついたことのない人間だ」
「なるほどね」
二人はもう清次郎の小さい小間物屋の前に立っておりました。
店先にしょんぼり坐っている清次郎。
「清次郎、覚悟はいいだろうな」
平次は静かに声を掛けながら、その前にヌッと立ちました。心得たガラッ八は素早く裏に廻って、その逃げ道を絶ちます。
「あッ親分」
清次郎のふり仰いだ顔は真っ蒼です。
「手荒なことをしたくない、番所まで一緒に来るか」
「親分、それは大変な間違いです。私じゃございません」
「何?」
「金蔵は悪い奴でございます。八つ裂きにしてもあき足らない奴でございます。が殺したのはこの私じゃございません」
清次郎はキッパリと言いきりました。
「紙片へ変な文句を書いておびき出してもか」
「あれは私です。欲の深い金蔵を、あんな拵え文句でおびき出しました。最初は打ち殺すつもりだったに違いありません」
「妹を田舎へやって口を封じたのは身に覚えのない者のすることか」
平次はグイグイと突っ込みます。
「妹は坂本の叔母へ預けました。