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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁

青空文庫

そしてそうした個々の意志の大きな動き方が作り上げたものは何だったかが分かれば、やがて一つの答えにはなろう。よく指摘されるように、「君の小説にはほとんど悪人がないね、憎むべき人間がいないなんていう社会があるかしら」ということも、おりおり訊かれるが、意識してのことではない、いうならば、自分の性分である、自分の人間観が、そこに根ざしているのだから仕方がない。「新・平家物語」の、これほど多数な登場人物の中にも、ついに悪党らしい悪党はなかなか見当らない。それを自分では怪しんでもいないのである。

窓の外へふと眼をやったら、師走の空に、子供たちの揚げている凧が見えた。東京では郊外でさえ近ごろめったに見ないが、ぼくらの少年時代にはさかんに揚げたものである。いちばん愉快だったのは、やはり“喧嘩凧”だった。悪童、凡童、入り交じって競ったものである。やっこ凧、武者凧、とんび凧、お多福凧、字凧、二枚半、三枚半の大凧など、ああいう春景色も、過去になった、歴史の永遠な空のあれも一コマである。(二九・一・三)

凧々々良い子悪い子なかりけり

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時間的に観ると、首都の兵革も、さいごは一旬のまに過ぎない。