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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Read おばけの正体 (おばけのしょうたい) by 井上 円了 (いのうええんりょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 74,925 characters · 145 screens
第四七項 神木の祟
第四八項 稲荷の祟
と答えた。果たしてしからば、人間の狡知よく神を欺くといわねばならぬ。
第四七項 神木の祟
三州のある村にて社内の古墓を発掘したところが、村内一般に必ず神の祟あるべしと大いに恐れおりしが、その後間もなく、白昼風もなきに、境内の神木と称せし老大松が、突然一間以上の所よりたおれた。人々これを見て、神の祟に相違なしとて神前において祓をなし、神様に御詫びをするなど大いに騒ぎ立てたが、その中に一人ありて疑いを抱き、いかに神の祟とはいえ、風なきにたおるるはずなしと思い、その木を調べてみると、自然にたおれたのでないことが知れ、結局、村内の若いものが、夜中その木の空洞の中に忍び入り、五、六尺の高き所の内側を鑿をもってほり込み、たおるるようにしておいたことが分かったそうだ。なかなか油断のならぬ世の中である。
第四八項 稲荷の祟
先年、播州神崎郡を巡回せしときに聞いた話がある。郡内のある村にて稲荷社の山林を伐木した。そのときに村中の迷信家が、必ず稲荷様の祟あるべしとて大いに恐れていたが、なんらの災害も起こらず、無事にて過ぎしが、一カ年の後に火災が起こり、ほとんど全村焼失するに至った。