Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

おばけのしょうたい

おばけの正体

井上 円了

Read おばけの正体 (おばけのしょうたい) by 井上 円了 (いのうええんりょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 74,925 characters · 145 screens

Aozora Bunko

第四九項 稲荷下ろしの拘引

そうすると人々みな、山林をきり払った祟であると申したそうだ。表向きは失火の原因不明になっているけれども、内実は神の祟を実現して見せんために、迷信家が暴風の夜に乗じて火を付けたのであるとの風評であった。余はひそかにこのことを聞いて、神様もさぞ人間をもてあましておらるるであろうかと思った。

第四九項 稲荷下ろしの拘引

先年『神戸又新日報』に、「稲荷下ろしの拘引」と題して、神に託して金円を詐取したりし話を掲げてあったが、ここに抜記しておく。

石州者の田中太七というは、俗にいう稲荷下ろしにて、女房おきぬとともに神戸へ来たり。湊村の内石井村の島田平四郎が稲荷の信者なるを聞き込み、夫婦して同家へ出かけ、「私には諏訪稲荷が乗り移りおれば、私がいうとおりを守るときは、いかなる望みといえどもかなわざることなし。それが嘘と思うなら、この白紙に金を包みて稲荷に捧げ、一月ないし二月と一心に祈祷せしうえ開いて見れば、五円の金は必ず十円となり、百円のものはきっと二百円になりおること、さらに疑いあるべからず」と、まことしやかに述べ立てて、ついに平四郎を欺き、四十円の紙幣をくだんの白紙に包み、神前に供えさせ、それより太七夫婦は毎日同家に通いて、しきりに祈祷をなしおるうち、いつの間にか中なる四十円を抜き取りて、古新聞紙とすりかえ、知らぬ顔