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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Read 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) by 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 114,254 characters · 226 screens
2
すると、それが冬の寒いもなかだったにもかかわらず、五、六ぴきの蜜蜂が寒そうに羽をならして飛んで来ました。そして描かれた花の上にとまって、不思議そうにそこらを嗅ぎまわっていましたが、甘い匂いといっては、ただの一しずくも吸い取ることが出来ないのを知ると、
「何だ。画にかいた花だったのか。ひとを調弄うのも大概にするがいいや。」
とぶつぶつ呟きながら、ひどく腹を立てて飛び去りました。
2
ある日のこと、画家にあざむかれた雀の小坊主と蜜蜂とは、人間に立ち聴きせられないように、わざと木深い森の中に隠れて、何がな復讐の手段はないものかと、ひそひそ評議をこらしていました。
「人間って奴、何だってあんなにまやかし物が作りたいんだろうな。みんな神様の真似ごとじゃないか。」
癇癪持の蜜蜂は、羽をならしながら憎々しそうに言いました。曩の日のことを思うと、今になってもまだ腹に据えかねるのでした。
「そうだよ。みんな神様の真似ごとさ。唯仕事がすこしばかりまずいだけなんだ。」
第一の雀が片脚をあげて、毛深いぼんのくぼの附近を掻きながら、こんなことを言いました。
「巧くもないくせに、何だってそんなことに手出しなぞするんだろうな。