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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Read 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 141,786 characters · 278 screens
彼の自戒の壁書文 「独行道」
彼の歩いた「道」とその「時流」
近世人・武蔵
生前の約束によって、春山和尚が引導した。国主の代拝もあり、諸士会葬して、藩葬ともいえるような盛儀であったという。
時に、年六十四。或は二という説もある。
彼の自戒の壁書文
「独行道」
伝えられているものには、独行道二十一条というもあり、十九条、或は十四条など、まちまちであり、また章句の順序も一定していない。この十三句目の名利というのは、いわゆる現代語の名利の意味でないことはもちろんで、節義と解すべきである。
一、世々の道にそむくことなし
一、身に、たのしみを、たくまず
一、よろづに依怙の心なし
一、身をあさく思ひ、世をふかく思ふ
一、われ、事において後悔せず
一、善悪に他をねたむ心なし
一、いづれの道にも、わかれを悲まず
一、れんぼの思ひに、寄るこゝろなし
一、わが身にとり、物を忌むことなし
一、私宅においてのぞむ心なし
一、一生のあひだ、よくしんおもはず
一、こゝろつねに道を離れず
一、身をすてゝも名利はすてず
一、神仏を尊んで、神仏を恃まず
彼の歩いた「道」とその「時流」
近世人・武蔵
彼は、今から約三百年余前の人である。その頃の社会に、孤衣孤剣の身を、漂泊のうちに生涯していたといえば、非常に遠いむかしの人を語るような感じもするが、法隆寺の塔は、解体改築されて後も、なお今日にその実在を示しているし、紫式部の源氏がいまも愛誦されて、なお